「どうしてそうなるの?」「社会人としてふさわしい行動をしてほしい」と、新人のあまりのダメっぷりに驚かされた人もいるでしょう。
しかし、わざとダメな行動をしているわけではありません。
なぜ「ダメ新人」なのか、できる社会人にレベルアップさせる方法はあるのか、この記事ではダメな新人の特徴からアプローチ方法を紹介します。
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ダメな新人でも将来が期待できるか見極めることが大事
一口に「ダメな新人」といえども、大きく分けると2つのタイプがあります。
過度な期待をして、「期待どおりにできないからダメ新人」と思っているケースもあります。
確かに、入社してすぐはできることがない、失敗ばかりのダメ新人に見えるかもしれません。
新人は言葉のとおり、新しい人、つまりは知識や経験もなくまっさらな状態です。
誰しも初めからできる人間ではないため、いかに教え、仕事ができるようにしていくかが重要です。
将来に向けてどのように教えればいいか、期待と共にできる新人になれるよう支えていくことが必要といえます。
社会人の先輩として「できないから何をやってもダメ」と見捨てるのではなく、できるように導くことが大切です。
ダメな新人で「将来が期待できない新人」の特徴
ダメ新人の中には、将来伸び代が感じられない、期待できない新人もいます。
将来が期待できないダメ新人の主な特徴は以下のとおりです。
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マイナス発言ばかり言う
後ろ向きでダメなところにばかり目がいく、マイナス発言ばかりの新人は将来が期待できません。
マイナスな発言ばかり口から出るやる気のなさから、自分自身もそして周囲もマイナスな空気に包み込んでいるからです。
言霊というように、言葉には魂が宿っているため口から出た言葉が自分自身を作り上げるといっても過言ではありません。
マイナスな発言ばかりでは、自分自身の行動や考えも次第にマイナス思考に侵されてしまいます。
また、マイナスな考えに基づく発言は周囲にも影響を及ぼし、職場全体の雰囲気や営業成績にも関係してくるのです。
ポジティブな気持ちになりたい時は、積極的に前向きな言葉を使っていきましょう。
考え方や仕事における行動は、後からついてくるはずです。
指示をもらうまで動けない
主体性がなく、受け身な姿勢で仕事に向き合っていると、言われたことしかできない新人になります。
状況や考えを汲み取り、自分自身の経験や知識からどのように行動すべきか考え実行に移すことで人は成長します。
指示待ち人間で、状況から考えること、自ら動き出すことを放棄してしまうと、成長の機会を失ってしまうものです。
仕事は自分で考え動くことだと捉え、主体的に行動することの重要性を伝えていきましょう。
緊張感がなくヘラヘラしている
緊張感がない、いつもヘラヘラしている新人は仕事に対するモチベーションや責任感が欠けているといえます。
仕事は社会貢献、自分の生活のため、お客様のためなどさまざまな要素が関係しています。
つまり、仕事である以上失敗やトラブルはないように努めなければなりません。
仕事は自分で好きで取り組む趣味や楽しみとは大きく異なるため、責任感ややる気が必要不可欠です。
「ミスしてもしょうがない」と緊張感を持たずに取り組む、「お金さえもらえればどうでもいい」などやる気がない人には仕事は任せられないでしょう。
何度も遅刻する
時間を守ってこそ社会人であり、仕事をする上で絶対といえる部分ともいえます。
時は金なり、決められた仕事や約束を破り迷惑をかけることは、相手の時間を奪い金を無駄にしていることに他なりません。
何度も遅刻を繰り返し、迷惑をかける人は社会人としての自覚に欠けている人であり、社会人のスタートラインにすら立っていないのです。
時間の貴重性や守ることの重要性、他人の迷惑など相手の気持ちを考えて行動する必要性を伝えていきましょう。
報連相ができない
社会人としてお互いに仕事の進捗状況や問題点などを共有しながら取り組んでいる以上、報連相は必要不可欠です。
報連相ができないと業務が円滑に進まず、周りに迷惑がかかります。
しかし、報連相が苦手とする新人が多いため、教える先輩も教わる新人も苦戦する部分です。
報連相ができない原因として、以下の原因が挙げられます。
報連相ができない原因
- 報連相の必要性を知る機会の欠如
- 報連相をすることで起こりうることへ不安
- コミュニケーション不足
学生時代は周囲と報連相する機会も少なく、必要性を肌で感じる機会はそれほど多くなかった人も、社会人になれば避けては通れません。
また、報連相に慣れていないことで「注意されたり怒られたるかもしれない」などの不安から避ける傾向にあります。
職場の人と普段からコミュニケーションをとっていない場合、話題のスムーズな切り出し方がわからず、報連相の「報(報告)」の部分からつまづいてしまいがちです。
報連相ができない理由を考察し、原因にあったアプローチで少しずつ報連相に慣れさせる必要があります。
ダメな新人だが「将来を期待できる新人」の特徴
人間誰しも初めから100%できる人ばかりではありません。
まっさらな新人で何もできない状態の中、ダメな新人とレッテルを貼られてしまう人もいます。
中には「今はダメ新人だが、伸び代やこれからの努力によっては大きく化ける可能性を秘めている人」もいるはずです。
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仕事のスピードが遅い
仕事のスピードが遅く、躓きがちな人をダメな新人とレッテルを貼るのは早計です。
スピードは仕事の慣れやコツを掴めば自ずとついてくるものであり、初めから新人にスピードを求めるべきではありません。
新人のペースで必死に仕事を覚えている最中、遅いことを理由にダメ新人のレッテルを貼られてしまったらモチベーションの低下に繋がってしまいます。
1人ひとりペースも特性も異なるため、相手のペースにある程度合わせ、見守ることも必要です。
しかし、あまりにも遅すぎる人や、周囲との遅れが顕著な場合もあるでしょう。
その時は、先輩としてできる限りのフォローやちょっとしたコツを伝えることをおすすめします。
言葉遣いが不器用
新人は社会に出たばかりであることから、言葉遣いが不自然な部分もあるでしょう。
時に、うっかり若者言葉が飛び出してしまうことや、誤った敬語を使ってしまうこともあります。
聞き慣れない敬語やビジネス用語に慣れている最中で、わざと不器用な言葉遣いをしているわけではありません。
言葉は使っていくうちに自然と自分のものとして使いこなせるようになるため、早めの段階で教えるべきです。
新入社員研修などで正しい言葉遣いを教えることも大切といえます。
接客中に緊張している
接客は初めての相手や仕事上重要なお客様と接する場面も多々あるため、緊張してしまうのも無理ありません。
知識やスキルが身につき、仕事に自信を持てるようになるまでは緊張してしまうものです。
緊張は場数をふみ、回数を重ねると徐々に和らいでいきます。
緊張のあまり大きな失敗をしないよう見守りながら、成功体験を積ませることが必要です。
人によっては不安感を軽減させるために、そばですぐにサポートできるように教育体制を整えるのも有効です。
何度も謝る
謝ることが癖になってしまっている人は、自信がない、ぺこぺこと頭を下げてばかりいるなどマイナスに見えるかもしれません。
しかし、見方を変えれば「自分の非を認めて受け入れられる人」といえます。
言い訳することなく、自らのミスをしっかりと受け入れる姿勢がある、強さを持っている人です。
中には、不安感から突き動かされるように口癖で謝っている場合もあります。
あまりに目に余るようであれば、優しくフォローすることで解決することもあります。
ときどき抜けている
時々やるべきことや重要なタスクが抜け落ちてしまう人もいますが、その部分のみ切り取ってダメ新人とは言い切れません。
それまでの生活とは一変、社会人として覚えるべきことが山積みでいっぱいいっぱいになってしまっているため、仕方がないことです。
時々抜けていることについても、本人も自覚していることがほとんどです。
フォローしながら大きなミスが起こらないように見守りつつ、見落としやすいポイントを伝えることで問題が解消することもあります。
ダメな新人を仕事のデキる新人に変えるには?
一見するとダメな新人に見える場合でも、フォローや声がけの仕方によって一気にできる新人になることもあります。
できる新人に化ける可能性を引き出すためにできることは以下のとおりです。
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定期的に新人に声を掛けてあげる
新人は慣れない環境やこれまで接したことがない先輩・上司に囲まれて不安を感じています。
新人から積極的に関わりを持つことは難しいと感じている人が多いため、意識して定期的に声をかけていくことが大切です。
「仕事慣れた?」「わからないことはない?」など雑談ベースで声がけすることで、ふとした時に話ができるようになります。
仕事の人間関係で壁を感じる、不安感で声がかけられないことは珍しいことではありません。
声をかけ、不安感を小さくすることで伸び代に気づき、積極的にアプローチできるようになります。
プライベートの相談にも乗ってあげる
新人の中には先輩・上司は怖いもの、仕事以外では関わりがないものとしてオンとオフをくっきりと切り分けている人もいます。
しかし、あまりにも大きく厚い壁を感じる状態では、小さな悩みや仕事の困りごとにアプローチしにくくなってしまいます。
仕事上の付き合いをベースに、時にはプライベートの相談にも乗れる関係性を築いておくことが必要です。
プライベートの話から自然と仕事の話もしやすくなることで、サポートや不安解消につながります。
適度な距離感を掴むことは簡単ではありませんが、仕事の出来や伸び代をよみとることを考えると、ちょっとしたプライベートの相談に乗れるくらいがちょうどいいと考えられます。
達成したことをきちんと評価して褒める
新人を教育する場面において、ついミスやできていない部分が目立ち注意してしまうものです。
できていないことを伝えるのももちろん大切ですが、同じくらい「できていること」に注目することは重要といえます。
どの年齢・立場になろうとも、誰かから褒められ、評価されることに心地よさや喜びを覚えるものです。
できていることをきちんと評価して褒めることはつい忘れがちになってしまいますが、積極的に褒めるようにしましょう。
頭で考えさせる機会を作る
なぜ失敗したのか、新人自ら考えて答えや解決策を導き出すようリードするのも大切です。
すでに答えとなる原因や解決方法を知っている場合、早々に答えを伝えて叱責したくなりますが、新人には響きません。
勉強でも同じことが言えるように、簡単に答えだけを見て丸暗記したものよりも、苦労して必死になって覚えたものの方が長く鮮明に覚えているものです。
なぜ失敗したか、原因や解決方法を自分なりに時間をかけて考えることで、はじめて苦労して手に入れた自分のものになります。
時に正しい答えに辿り着けるようちょっとしたヒントを与えることはあっても、大枠となる原因や解決策、次回への反省などは自分で考える機会を作るべきです。
説明の仕方を変えてみる
説明の仕方を変えてみるのも方法の1つです。
自分の言葉のチョイスやスピード、順序などの問題でスムーズに伝わっていないことも考えられます。
流れ作業のように説明し、講義のように聞いているだけでは、頭にも残りにくい場合があります。
下記のような工夫を行い一方的に説明して終わらせるのではなく、本当に理解できているか確認して進めていくのがポイントです。
伝わる説明のポイント
- 相手にわからないところや質問する時間を設け、随時確認しながら進めていく
- 説明が一通り終わってから、新人に復唱してもらう
- 図や数字など具体的かつ客観的に示すものを使う
- 説明する内容に応じて、教え方を変える
(マニュアルを用いた講義スタイル、OJT、新人にマニュアルを作らせるなど)
相手の言葉も聞いて、こまめに理解度を確かめることでつまづきや疑問点に早い段階で気づくことができます。
ダメな新人の特徴に関するまとめ
- できない新人は「将来できるようになる新人」と「できないまま終わってしまうダメ新人」に分けられる
- できない新人にレッテルを貼るだけでなく、いかにできる社会人にするかが大切
- できる新人にするためには、ダメな新人がダメである所以を突き止め、原因にそったアプローチをするべき
どんな人も初めから完璧ではありません。
できない新人がなぜできないのか、その原因や考え方、行動の問題を突き止め、積極的にアプローチすることが必要です。
正しいアプローチによって、社会人としてふさわしい行動や求められているものを知ることができます。
できない新人をできる社会人にするのか、ただ匙を投げてできない社会人にするのかは、関わりを持つ人がカギを握っているのです。
社会人の先輩として、できる人になれるよう積極的にサポートしていくべきでしょう。