いま「ニートで家族から追い出されそう」「引きこもっていたがお金が厳しくなり働くしかない」といった状況ありますか?
「社会不適合者だから無理」「空白期間が長く絶対採用されない」と考えているなら、そんな方でも社会復帰ができる手順をこの記事では紹介しているので、ぜひ就活準備や心構えに役立ててください。
ニートで社会復帰が怖いと感じる理由
まずはニートで社会復帰が怖いと感じているなら、その理由を自己分析してみましょう。
怖い理由を細かく解消していけば社会への恐怖心が低減されるので、最初の就活準備として社会復帰が怖い理由を考えてみましょう。
社会経験がないことによる不安
働ける年齢になってから社会に出ていない、またはすぐ辞めてしまって社会経験が浅い場合、社会に適応できるかが大きな不安かと思います。
「朝起きて週5日同じ時間の電車に乗り出社し、上司からの指示を受け、円滑に仕事を進めるためのコミュニケーションを行い、ミスなく仕事を遂行。」
そんな理想の社会人像を描いている場合は、現在との差に委縮して不安が大きくなってしまうかもしれません。
長期間のブランクへの不安
仕事から離れていた期間が長いと同年齢の同僚よりもできることが少ないのでは?仕事ができるか?体力が持つか?という不安です。
家から出ていなかった場合、朝の出勤、仕事中の活動、退勤と動くことが多いため、結構な体力を使います。
デスク作業であっても休憩以外はPCや書類に向かって夕日が出るまで作業しなければなりません。
また、長期間のブランクを面接で指摘された際に何を答えればいいのかという点も大きな不安かと思います。
散歩からでも体力を戻す習慣を作ると復職後に疲れで倒れるといったことは避けられます。
ブランクに対しての質問には、資格取得・勉強・ケガ・病気・介護・夢を叶えるための期間だったなど、自分が納得できる理由を探して落ち着いて堂々と話せるようにしておきましょう。
人間関係による不安
長い期間引きこもっていると、親だけ、ネットの友人とのテキストだけでしかコミュニケーションを取らない方がほとんどだと思います。
面と向かって他人と話したのは何年も前となると、人間関係を築く以前に相手の目を見て話せるかも不安かと思います。
コミュニケーションが不安な場合はネットの友達とボイスチャットしてみたり、家族との会話を増やしてみましょう。
- 視線を合わせる
- 質問されたら答える
- 相手にも同じことを聞く
- 自分の話ばかりしない
- プライドはしまっておく
- 価値観を押しつけない
上記のようなコミュニケーションで大切なことをよく考えてみるのもいいかもしれません。
また、自己啓発セミナーという集団心理療法によって自己分析や可能性を見つけたり、コミュニケーション能力を養えるグループセラピーのようなものもあるので、上手く活用してみましょう。
ただし、引きこもりから立ち直るために参加した自己啓発セミナーが集団催眠による悪質な詐欺で、お金だけ取られてしまったという事もあるので、怪しいと思ったら参加は避けてください。
年齢による差別や偏見
職場によっては仕事以外のコミュニケーションが多い環境もあり、その場合過去の事やこれまでの経験を尋ねられることもあります。
世の中には人の価値を勝手に決めるような悪い性格の人も一部存在するので、運が悪ければ年齢による差別や偏見を受ける可能性もあります。
自分の価値が認められるかという不安も大きいかと思いますが、下を見れば何歳になっても仕事ができない人もいます。
日本は就職してしまえばそうそうクビになることもないので、自分のできることをコツコツやって自分のできることを増やしていきましょう。
うつ病や不安障害との闘い
社会復帰に伴うプレッシャーやストレスが、うつ病や不安障害を悪化させる恐れがあります。
初めて入る会社で新しい人達と関係を築くのは、ブランクがなくても不安なものです。
そこからさらに自分に自信がないと、「結果を出さないと認めてもらえない」「普通でいなきゃ」「悪く見られているかも」など悪いほう考えてしまいがちです。
面接に遅れても「外に出ただけで偉い」、不採用でも「面接しただけで偉い」、面接でうまく話せなくても「声出せただけ偉い」と前向きにいきましょう。
社会復帰はまず何から始めるか
では社会復帰するにはまず何から始めたらいいのでしょうか?
何よりも生活習慣からですが、心構えなどスムーズな社会復帰に必要なことを考えてみましょう。
生活習慣を正す
まず第一に生活習慣を正してください。
社会復帰の途中で断念する理由の最たる理由が「生活習慣のズレ」です。
生活リズムが崩れていると、「面接に遅刻した」「急にリズムを変えたら眠れない」「朝起きられない」「仕事中寝てしまう」「クマがひどく会社の人に心配された」なんて事になってしまいます。
などどれかが当てはまるなら、仕事を探すより前にまず生活の矯正が必要です。
- 昼夜逆転している
- 眠くなったら寝る
- 食生活が乱れている
- 外出していない
現状上記のどれかが当てはまるなら、仕事を探すより前にまず生活を正す必要があります。
慣れない仕事を覚えるのと同時に習慣を正すのは負担が激しくなるため、急に仕事ができる生活習慣に合わせるのは避けましょう。
遅くても1か月前から「夜寝て朝起きる」「昼食は12時付近」「朝か夕方少しでも歩く」の習慣付けが重要です。
生活習慣が乱れていると夜中に起きている事が増えて、自分を卑下するような考えにも陥りやすいので、社会生活に必要な身体的な準備はもちろん、メンタル面を考慮してもまず生活習慣を正す必要があります。
自分の強みや興味を見つける
ニートによるブランクが長いと自信を持つことが難しく、自信のなさは会話や外見から外に現れやすいです。
上司や人事は仕事を頼むなら自信がある人に頼みたいので、虚勢であっても信用できる印象を出すと受け入れてもらいやすくなります。
そのためには自分が得意だと思っていること、またそれが生かせる仕事を見つけましょう。
あなたが誰でもできると思っていることが、意外にも一般的には難しいものであなたの長所ということもありえます。
自分に合ったペースで働ける環境選び
突然のフルタイム勤務はストレスになる可能性が高いです。
平日毎朝8時前に起きて準備、9~18時まで労働というのは直前まで体力が有り余っている新卒社会人ですら疲弊するものです。
プライベートでも仕事の連絡が来ることがあったり、当然日曜夜は夜更かしできないなど時間が有り余るニートと比べると個人の時間は劇的に減ってしまいます。
期間工や時間の少ない週3程度のアルバイトなど無理のない仕事からステップアップしていくのもおすすめです。
やりたい事があるならニートのうちにやって気分を上げて就活に臨むとよいでしょう。
自分に合った仕事を見つけてもらう
身体的なリハビリと心構えができたら、就活支援サービスや転職エージェントを利用してみましょう。
転職エージェントでは自己分析だけではわからないあなたの長所を見つけてくれたり、公開されていない求人などを紹介してくれるので就活を有利に進めることができるかもしれません。
社会復帰のための支援を提供しているサービス
社会復帰のために受けられるサービスはどのようなものがあるか紹介します。
ハローワーク
ハローワーク(公共職業安定所)は、仕事を探している人に無償で求人紹介や就活に役立つサービス提供してくれる、国(厚生労働省)が運営する総合的雇用サービス機関です。
他転職エージェントでは非公開求人を持つというメリットがある一方で、サービス利用料がかかってしまいます。
地方では求人の幅が少ないという特徴があるのでハローワークだけでいいということはありませんが、無償で利用できるのでぜひ一度足を運んでみてください。
働いていた過去があれば関係する被保険者証、離職票等の書類、なければ身分証だけを持って受付に行けば対応してくれます。
職業訓練などの無料研修
ハローワークでは求人紹介だけでなく、職業訓練所、訓練校の紹介も行っています。
求職中なら受講費無料で、さらには給付金をもらいながら資格取得を目指せるので、今スキルが無くて自信がないならぜひ利用したいサービスです。
訓練校の給付金は生活できるほどではなく交通費や食費、受験費を賄える程度なので、今すぐにお金が欲しい場合は家族などからの援助または生活保護等の受給、貯金を切り崩す必要があります。
資格を取得する訓練校では受講時間も数か月に及ぶものもありますが、それだけ有用な資格なので時間があるなら受講もおすすめです。
社会復帰支援をしている団体の利用
NPO法人社会復帰支援アウトリーチや、メンタルクリニックの医療リワークプログラム、社会復帰支援サービスの利用もおすすめです。
アウトリーチとは、サポートを必要とする人を病院や専門機関で「待つ」のではなく、地域や生活の場へ「会いに行って」ケアする支援の形です。
また、うつ病や適応障害の病歴や精神的な不安がある場合は、メンタルから社会復帰に向けての準備が必要です。
最近の企業では精神的な病気で休職した場合、産業医(会社専属の医者)に相談のもとリワークに通ってから復職が必須となっているところもあり、効果が実証されているサービスです。
活動はレクリエーションが主で、テーマをもとにグループで話し合ったり、身体を動かしたり、選択科目で体育や調理実習など学校の勉強以外の授業がイメージしやすいかと思います。
年代別社会復帰のポイント
年代別社会復帰のポイントを紹介します。
若いからこそ利用できる就活サービスや、年齢、経験不問の求人など様々あるので、年代によって復帰方法が変わってきます。
【20代】転職エージェントやインターンの活用
転職エージェントは20代限定のサービスがあるほど、若年層がターゲットとなっていて、未経験でも正社員として募集している求人もあるのでぜひ利用してみてください。
「ニートからの就活は転職にならないんじゃ?」と思うかもしれませんが、ニートでも無職でも転職エージェントは利用することができます。
また、インターンとは「インターンシップ」の略で、就活中の学生や新卒者対象として一定期間、実務経験を積むことができる企業のプログラムです。
最近では就活生だけでなくフリーターを対象とするインターンも実施されているので、気になる業種があれば調べてみましょう。
インターンは、企業側に若い芽の育成と人材発掘のメリット、実習生側は実務経験取得と採用のチャンスなど双方にメリットがあります。
【30代】自身の経験を活かせる仕事、職業訓練などの活用
もしニートになる前に学校で学んでいた事や新卒で勤めていた仕事の経験がある場合は、自身が持ってる経験やスキルを再評価して、転職という形で求人を探してみましょう。
これといった専門知識や経験がなくても、ハローワークは職歴がなくても挑戦できる求人を多くもっているので、必ずもらえる仕事があります。
また、職業訓練校では資格取得を目的とした実践的な訓練を積むことができるので、何かスキルが欲しい場合はぜひ活用していきましょう。
【40代】ハローワークに通う、フリーランスでの活動
40代職歴無しでも、ハローワークや求人サイトを見ると意外と沢山の募集があります。
軽作業や工場のライン作業などはよほど人格に問題がなければ採用しているので、動こうと思えば履歴書を出してすぐできる仕事はあります。
しかし、採用形態や仕事を選ぶ場合、書類選考時点で40代職歴無しの不信感を拭えないと、面接まで辿り着くことも難しく、アドリブが要求される面接では難易度も上がります。
採用後も年下の部下になると考えられるので、プライドを捨てなければ社会復帰は難しくなります。
また、もしこれまで仕事からでなくとも何か経験があるなら、仕事の一部を担うフリーランスなどは年齢が関係ないので、スキルを活かしてフリーランスとして活動することも選択肢に入れてみましょう。
フリーランスは最初こそこちらから自分を売り込む必要がありますが、納期を守り数をこなしていけば信用を得てより大きな仕事を受注されることもあります。
ニート歴が10年以上でも大丈夫?
ニート期間が10年以上になっても社会復帰は不可能ではありません。
まずは生活習慣を正してアルバイトや期間工から社会に慣れたり、職業訓練校を活用すればスキルを磨くこともできます。
2019年の総務省の労働力調査によれば、15~34歳の無職で学業や家事に従事していない若者(いわゆる「ニート」)の数は約74万人です。
2020年時点ではコロナの影響もあり、約87万人と急激に増加しています。
しかし2022年には74万人と11万人ほど減少しているため、ここ数年は社会復帰者が多くなっています。
コロナの影響で長い無職期間から復帰する社会人も最近は増えているので、今は特にブランク、空白期間があっても働きやすいチャンスです。
社会復帰に関するよくある質問
ニートからの社会復帰に関して、掲示板などでよく上がる質問と回答を下記でまとめています。
- ニートからの社会復帰は可能ですか?
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可能です。
実際に毎年多くのニートが社会復帰しているデータも厚生労働省から出ていますし、支援サービスが増えているので社会復帰自体がしやすくなっています。
コミュニケーションにおいては不安かもしれませんが、社会側も多様性に寛容的になっている傾向があるので、親しくなるまで他者に踏み込んでくる人の方が珍しいです。
- 社会復帰に年齢は関係ありますか?
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社会復帰に年齢は関係あります。
若年層のみ利用できるサービスがあるので、若いほど有利というのが現状です。
しかし年齢制限はないので、年齢に応じた動きをすれば何歳でも社会復帰が可能です。
- 10年以上ニート期間があるけど社会復帰は可能?
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10年以上ニート期間があっても、社会復帰は可能です。
いきなりフルタイムというのは難しいかもしれませんが、身体的、精神的準備が整えて難易度の低い仕事に挑戦してみましょう。
在宅でフリーランスとしてWebライター、文字おこしなどできることを探してみましょう。
- 社会復帰におすすめの転職支援サービスはなんですか?
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社会復帰におすすめの転職支援サービスは、JAIC(就職カレッジ)が挙げられます。
圧倒的に求人数が多いのはリクルートエージェントなので、他のサービスも検討しつつ、とりあえずリクルートエージェントに登録してみるのがおすすめです。
詳しくはリクルートエージェントの評判記事をチェックしてみてください。
- 20代におすすめの就職支援サービスはなんですか?
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DYM就職、キャリアスタート、UZUZ、ハタラクティブなどがあげられます。
どれも20代、フリーター、第二新卒向けのサービスなので、より手厚いサポートが期待できます。
マイナビジョブ20’sは20代限定のサービスで、「アピールポイントを磨きたい」、「未経験からエンジニアを目指したい」など、求職者の要望をかなえてくれます。
社会復帰が怖い理由のまとめ
- 社会復帰が怖いのは人間関係や経験不足、精神的な心構えと自信のなさが原因
- 社会復帰の準備としてまずは生活習慣を正す
- 社会復帰のために利用できるサービスは豊富にある
- 就活には求人数の多いリクルートエージェントやdodaなど転職サービスの利用がおすすめ
この記事では、社会復帰が怖い理由について具体的な要因から紹介しました。
まずは生活習慣を改善して心身を健康にしてから、ポジティブに不安の原因と向き合ってみましょう。
昼夜逆転、精神が不安定で無理して仕事をしていても周囲に心配をかけてしまい続けられなくなってしまうので、心身ともにある程度落ち着いてから求職活動に入るのがおすすめです。