労働政策研究・研修機構「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査(JILPT第5回)」の結果から、無理して働きたくないと考える人は若年層ほど多いといえます。
年齢別に見ていくと「働きたくない」と答えた人は50代は7%であるのに対し、20代は11.5%と1割を超えているのです。
仕事に対するモチベーションやオンオフのバランスなどから、無理に仕事をしたくないと考える人が増えつつあります。
どのように仕事に向き合っているのか解説すると同時に、できる限りモチベーションを上げる方法についても紹介します。
仕事をしたくない20代はどうやって生きてる?
仕事をしたくない20代は仕事をどのように捉えているのか、そして捉えたことを踏まえてどのように行動を起こしているのでしょうか。
20代の仕事をしたくない人が適した職業に出会うまでの行動の一例は以下のとおりです。
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自分のやりたい仕事を見つけるまでチャレンジ
自分がやりたい仕事を見つけるまで模索し続ける人も多くいます。
20代で好きを仕事にできる人はごくわずかだと思いますし、やりたい仕事を見つけるのは非常に困難なことです。
ただし、自分が少しでも興味がある分野に挑戦している目標意識がはっきりしている人は、最終的に自分のライフスタイルにあった働き方を確立しやすいです。
アルバイトや副業など、働き方は多様化しているため、自分に合った方法で仕事探しをすることができます。
仕事は生活のための手段であると同時に、自己実現や社会貢献のための行動です。
仮にやりたくない仕事を続けるのは、どこかで無理や我慢をしている状態です。
我慢し続けなければいけない状況というのは、自身の体調やメンタルに依存するため、仕事へのモチベーションやパフォーマンスに影響してしまいます。
大事なのは自分がどんな会社に入って、どういう仕事をしたいか、それを実現するためには今しなくてはいけないことは何かを考える事です。
年齢が近い人の多い職場で情報交換
自分と年齢が近い人が多く在籍する職場で情報交換するケースも見られます。
20代など、若年層が多い職業は以下のとおりです。
- 営業
- 介護職
- エンジニア
自分と年齢が近い人は境遇や考え方、目標としているものや今後のキャリア形成の計画が類似している場合も多々あります。
情報交換をすることで、新たな気づきがあるかもしれません。
テレワークで場所を選ばず自分のペースで仕事
20代の仕事が辛いと考える理由の1つに通勤が挙げられます。
毎日朝晩混み合った電車やバスに乗ることが苦痛といった通勤時間に関するストレスは小さなことに見えるでしょう。
通勤時間が片道1時間以上の人を対象に行った調査「通勤時間のストレスに関する意識調査」からも読み取れるように、通勤時間に関するストレスを感じている人は84%を超えているのです。
毎日のことで積み重なると時間を無駄にしている感覚から大きなストレスになっていることがわかります。
現在はインターネットの発達やビジネスの多様化もあり、仕事=オフィスの固定概念は崩れつつあります。
テレワークでプライベートを犠牲にすることなく仕事と両立できる、自分のペースで仕事を進められる自由さがあるメリットがあります。
自分自身と向き合う時間を確保できるため、納得できる働き方が実現するはずです。
20代で「仕事をしたくない」と感じる理由は?辞めるべき?
20代で仕事をしたくないと感じる理由はいくつかあるでしょう。
仕事をしたくないからとすぐに辞めるべきか否か迷っている人も多くいます。
以下では仕事をしたくないと感じるタイミングや理由、そして今後のキャリアも考慮した辞めるべきか否かの判断基準も解説します。
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同僚と会話やノリが合わない
同僚と会話が合わないことでストレスを感じ、仕事に楽しさを見出せない人もいます。
職場での人間関係はこれまでの友人とは大きく異なり、仕事ありきの関係ともいえます。
また、これまで生きてきたバックボーンや経験、スキルも異なるため会話やノリが合わないことも多々あるものです。
会話やノリが合わないことだけを理由として退職する前に、一旦立ち止まることをおすすめします。
職場は利益を求めて仕事をする場であり、同僚と楽しく会話する場所ではありません。
そのため、無理に深い付き合いを求めて、学生時代のような友人づくりをする必要性はないのです。
最低限不快感を与えないような距離感や会話で「ちょうどいい関係」を築けていれば仕事上も安心といえます。
しかし、会話やノリが合わないことでハラスメントに繋がっている、報連相ができないなど、支障が出ている場合は改善や退職も視野に入れるべきです。
残業が多くて友人と会う暇もない
あまりの残業の多さに友人や家族と過ごす時間も取れない時に、仕事をしたくないと強く感じるものです。
残業の多さが時期や人員不足など一時的なものであれば乗り越えようと頑張るのも1つの方法でしょう。
しかし、残業の多さが度を越していて心身に不調が出ている、相応の残業代や評価がない場合は退職して心機一転するのもおすすめです。
残業が常態化している場合、ストレスが溜まりやすく心身に影響が出やすいこと、そして職場環境が改善されない状況の中仕事の効率も下がり続けるデメリットがあるためです。
残業の多さや残業代については下記記事をご覧ください。
努力しても給料が変わらない
仕事をしている以上、努力や成果をあげた分の評価や給与アップはマストといえます。
努力した分きちんと認められ、さらに頑張ろうとモチベーションも高まるものです。
しかし、どれほど仕事に向き合っても給与が変わらない場合モチベーションは下がってしまいます。
最終的に「頑張っても無意味」と考えてしまい、向上心が失われてしまうのです。
努力しても給料が変わらない、正当な評価を受けられないと感じた場合、職場の評価方法を見直すことをおすすめします。
評価の基準を知ることで会社が求めているものを知ることができると同時に、正当な評価がされているか否かを見直すことができます。
もしも評価基準が曖昧、評価されるべきにも関わらずされていない場合は退職も視野に入れるべきです。
正当な評価でスキルアップのチャンスを掴める可能性も高いといえるでしょう。
努力しても給料が変わらないと悩んでいるタイミングで行動あるのみです。
「仕事をしたい」という思考の20代になるためには?
がむしゃらに仕事するのではなく、自分のやりたいこと、働きやすい環境で働きたいと考える人も多くいます。
仕事に対して「ほどほどの考え方」をする人が増えてきたといえます。
20代の若年層のタイミングで仕事に対してのモチベーションを上げ、スキルアップをすることで、キャリア形成や仕事のやり方にプラスの影響を及ぼすでしょう。
モチベーションが低下した状態から、仕事をしたいと考えるようになるためにするべきことは以下のとおりです。
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自分のしたい仕事のするために転職して、今の職場を円満に退職をする
仕事をしたいと思うためには、自分が「心の底からやりたいと思える仕事」に就くことが大事で転職する必要があります。
好きではない仕事を嫌々続けて時間やキャリアを無駄にするよりも、早い段階で退職してやりたいと思える仕事を探すのも1つの方法といえます。
転職するためには今の職場を退職する必要がありますが、その際に押さえておきたいポイントが「円満退職」です。
これから先どのような形で関わり合うか分かりません。
憎み合いながら喧嘩別れのように退職するよりも、円満に退職した方が得策といえます。
円満退職のために押さえておきたいポイントは以下のとおりです。
- 退職を伝えるタイミングや順序
- 退職理由
退職を伝える順序は上司からで、同僚や先輩から先に伝えるのは避けるべきでしょう。
上司からの心象が悪くなることや、退職までの仕事がやりにくくなるデメリットがあるためです。
また、引き継ぎや書類上の手続きの関係から、可能であれば繁忙期を避けて伝えるべきです。
退職理由は職場や上司のマイナスポイントに触れずに、あくまで自分の将来のためとプラスの理由で伝えてください。
マイナスな感情で退職することを伝えると、退職拒否や強い引き止めなどトラブルの原因になるためです。
仕事が合わないと感じた際の退職方法については、下記記事をご覧ください。
今後のキャリアを相談する
今後の自分自信のキャリアを第三者に相談することで、客観的な意見をもとに検討することができます。
キャリアを考えることは、今後仕事で実現したいこと、目標を意識したスキル形成などを考えることに繋がるのです。
行きたい場所に行くために地図を見てルートを確認するように、今後の仕事を考える上でやりたいことを考えることは必要事項といえます。
しかし、まだ見ぬこれからのことを自分1人で考えるのは限界があります。
考えや可能性を整理し、歩むべき道のりのアドバイスができる人に相談するべきです。
自分では気づかなかった考え方や目標、キャリアプランに気づく場合があるでしょう。
今後のキャリアを相談する場合、おすすめの相談先は以下のとおりです。
- キャリアアドバイザーやキャリアカウンセラー
- 転職エージェント
- ハローワーク
中でも転職エージェントは細やかな分析、丁寧なヒアリング、転職に関する最新情報や求人を持っていることが強みです。
数多くの転職成功実績からも分かるように、客観的な視点で的確なアドバイスを無料で受けられる点がポイントといえます。
転職エージェントはサービスの特色や強みがそれぞれ異なるため、「転職サイトのおすすめランキングまとめ 選び方から利用するメリットまで具体的に解説」などを参考に自分に適したものを選択してください。
アルバイトやスクールなどでスキルを磨く
アルバイトやスクール通学でスキルを磨くことも将来を見据えた行動の1つです。
自分自身の可能性を広げることでやりたいことを見つけるきっかけになる、就きたい職業に一歩近づくなど可能性が広がります。
資格やスキルのためにスクールなどに通うのも方法の1つですが、まだやりたいことが見つからない人は自分探しの1つとしてさまざまなアルバイトを経験するのもおすすめです。
アルバイトで収入を得ながら、将来に必要なスキルや知識を積み重ねることができるため、貴重な経験となるでしょう。
モチベーションを上げる方法
仕事=やりたくないこと、辛いことと思うと、モチベーションも上がりません。
これからの将来を見据え、プラスとなるスキルや経験を身につける上でモチベーションは大きな原動力になります。
仕事に向き合う上でモチベーションを上げる方法は以下のとおりです。
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仕事の目標を立てる
仕事の目標を立てることでこれからやるべきこと、進むべき道のりが見えてくるはずです。
勉強やスポーツにも通じることですが、目標や目的をしっかり定めて歩みを進めていくことで効率的に達成できるメリットがあります。
また忙しさや気分の落ち込みで自分のあるべき姿を見失いそうになった時、目標を立てた時の気持ちを思い出すことで、持ち直すこともできるでしょう。
仕事の目標を立てる際の押さえるべきポイントは以下のとおりです。
- 目標はスモールステップで
- 実現可能なものにする
- 目標を立てる理由や目的も定める
いきなり無謀な目標を立てると実現できなものとして急速にモチベーションが下がってしまいます。
その場合、目標を達成するために必要なタスクを小分けにしてスモールステップで進めるようにすることで、実現可能なものになるはずです。
また、目標を定める際にその理由や目的も一緒に定めると、見失いそうになった時に振り返るきっかけになります。
仕事以外で頑張る理由を見つける
仕事以外で頑張る理由を見つけることで、仕事に対して前向きになれるきっかけになるでしょう。
仕事を頑張る理由が特になく「なんとなく」「上司に命令されたから」と他人軸で考えている場合、仕事をする目的ややりがいを見失ってしまいます。
仕事を頑張りたいと思える理由を仕事以外に見出すことで「これがあるから頑張れる」と原動力になるのです。
自分の趣味や楽しみのため、家族や恋人のためなど仕事以外の頑張る理由を見つけることで頑張ることに前向きになれるでしょう。
趣味の時間を使ってリフレッシュする
趣味を存分に楽しむ時間で心も体もリフレッシュすることをおすすめします。
仕事のことを忘れて思う存分に趣味を楽しむことで、仕事とプライベートのオンオフの切り替えができるようになるでしょう。
メリハリのある生活を送ることで、仕事を集中するべき時にきちんと集中できるようになります。
「仕事をしたくない20代」に関するまとめ
- 仕事をしたくないと考える20代は多く、仕事の向き合い方を考えるタイミングでもある
- 仕事をしたくないと考える理由は多々あるが、辞めるべきか否かは今後のキャリアも含めて総合的に検討すべき
- やりたい仕事に出会うため、モチベーションアップのためにはキャリア相談やスキルアップは必要不可欠
今の20代は仕事に対しての考え方やキャリアに関する考え方が変化してきているといえます。
さまざまな理由から仕事をしたくないと思うこともありますが、自分のキャリアプランやスキル形成などさまざまなことを考慮した上で後悔のない選択をすべきです。
やりたい仕事、得意なことに出会うためにはキャリア相談やスキルアップは必要不可欠となります。
自分の中で絶対に譲れないものなどを検討してください。