仕事に長年向き合ってきたからこそ見えてくる不安や不満、キャリアの限界が見えてくるのがミドル世代ですが、転職の壁は厚く、一般的に50代では難しいともいわれています。
ですが、若手にはない強みを活かし、積極的に転職活動に向き合うことができれば成功も夢ではありません。
この記事では、50代の転職の実態や成功させるために必要なマインド、失敗しないコツなどを紹介します。
50代の転職が厳しい・難しいと言われている理由
50代の転職が厳しく、一般的に難しいと言われている理由はいくつかありますが、企業側の考え方や求めるものにあるともいえます。
企業側が求職者に何を求めているのか、なぜ消極的になってしまうのか統計データや市場の傾向から紐解いていくことができます。
ミドル層(40代~50代)の採用に消極的
厚生労働省職業安定局・中途採用に係る現状等について(P22)のデータから、ミドル層と言われる40代〜50代の採用に消極的な企業が多いです。
中途採用の方針は、「35歳未満」では約95%の企業が採用に積極的である一方、年齢層が高くなるほど採用の積極性は弱まっています。
45歳以上では「あまり採用は考えていない」が最多となっている理由としては、以下の要因が挙げられます。
- 20代、30代と比べると割高な報酬設定
- 健康面のリスク
- 社風や既存社員とのミスマッチの懸念
- 経験や能力を発揮できるか不透明な部分がある
企業としては、一度採用したからには最大限のパフォーマンスを発揮し、利益を生み出してもらいたいと考えている部分があります。
ミドル世代の場合、報酬や健康面、周囲との人間関係や仕事面で懸念材料があると考えられてしまいます。
そのため、積極的に採用したいとは思われない傾向にあるのです。
50代は転職活動が長期戦となる
マイナビによる転職動向調査 2023年版(2022年実績)(P29)によると、50代男性の約4割、50代女性の3割以上が3ヶ月以上転職活動を続けていたことがわかります。
さらに、10人に1人は1年以上転職活動をしていたデータもあるのです。
このことから、20〜30代のような短期集中型の転職活動は難しいと言わざるを得ません。
50代の転職活動が長期戦となる傾向がある理由は、以下の内容が挙げられます。
- 企業と自分とのミスマッチ(スキル、知識、やりたいことなど)で応募可能な求人が少ない
- 転職活動について、家族との意見の違いが生じ、理解が得られない
- 報酬や待遇にこだわりをもっている
- 転職活動のための時間捻出が困難
- 書類選考段階で不利(年齢など)
また、企業側から年齢やスキルなどのミスマッチを理由にお断りされることも多々あります。
自分の仕事のやりがいや収入アップなど目的をもって転職活動をする一方で、「これが最後の転職」「養う家族のことも考えて転職するべき」という考えもあるため長期化しやすいのです。
失敗できない、家族に迷惑をかけられない、今の年収や待遇から下がるわけにはいかないといったプライドなどから、こだわりや条件を下げられず長期化してしまうこともあります。
求められる経験やスキルレベルが高い
50代の場合、これまでの社会人歴や仕事の経歴から、求められる経験やスキルがハイレベルといえます。
若手にはなく、ミドル世代だからこその強みといえるのが、長年の積み重ねの経験や知識といったスキルレベルです。
企業側からの期待もあり、スキルや経験のレベルに関して、シビアに評価される場面が多くなります。
専門的な業種の経験や知識、さらにマネジメントスキルなど、求められるスキルレベルの高さ故に、企業側の需要とマッチしないことは多々あるケースです。
50代の転職がみじめと言われている理由
人によっては、50代で転職した現実を目の当たりにして、みじめだと感じることもあるようです。
みじめと感じてしまう理由として、年収や待遇、求人のあり方に原因がありました。
みじめといわれている理由や、打開する解決方法は以下のとおりです。
50代の転職が「みじめ」と評される背景について、事実や市場の傾向を元に述べる。
年収ダウンしやすい
厚生労働省・令和2年上半期雇用動向調査結果の概況(P17)によると、転職入職者は50代の転職時に年収が下がりやすいことが見て取れます。
54歳までの転職の場合、前職の賃金に比べて転職によって収入が増えた人の割合は減った人を上回っていました。
しかし、55歳以上の場合は増加が減少を上回っているのです。
50代の転職で年収が下がりやすい理由としては、企業側と求職者の間に起こるスキルや経験の認識のずれがあることが挙げられます。
仮に大企業で役職についていた人だとしても、転職活動をして一度別のフィールドに飛び込めば新人です。
実績や評価を企業名や経験年数などの色眼鏡なしで見た場合、「自分から見た実績」と「企業側から見た実績」にずれが生じてしまうのです。
年齢制限がある求人が多い
求人を出して働く人を求めている以上、年齢制限を設けている企業がほとんどです。
年齢制限を設けている背景としては、定年制や育成期間が挙げられます。
社員を一人前の人材に育て上げ、利益を生み出すまでには長い時間が必要となります。
そのため、余裕を持った育成期間や教育を吸収する力を考えると若手を欲する傾向にあるのです。
また、定年制を設けている会社の場合、働ける期間が非常に短くなってしまうことが考えられます。
非常に短い勤務期間で十分な成果を出せるほどに成長できるか、不確定な要素が多いことから若手を求める傾向があるのです。
上司や同僚が自分よりも若い
50代で転職した場合、上司や同僚が自分よりも若いことはよくある話です。
特に新規立ち上げの企業や、若手が活躍していることをアピールポイントにしている企業、若い力を最大限に活かそうとする業界に多く見られます。
新しい環境で新たに仕事を覚える以上、年下の上司や同僚に教わるケースがほとんどとなるでしょう。
前の職場では自分が年長者、上司として教える立場でいた人の場合、立場が逆転したかのように感じることもあります。
年齢や立場関係なく教わる立場としての心構えができていれば問題ありません。
しかし、心の片隅に少しでも「年下に頭を下げたくない」「年下の上司に教わりたくない」などの気持ちが生まれた場合、自分は惨めだと感じやすくなります。
プライドが高いと思われている
50代の転職者の場合、企業側から「プライドが高い、扱いにくそう」と思われることもあります。
50代といえば、経験年数やスキルも十分で役職についている人も多い年代ですが、転職によって中途採用の新人に立場が変わります。
態度や言動などから、前職から引きずっているプライドを感じさせてしまう場面が出てくる場合もあるでしょう。
- 年齢や経験などを持ち出して比べようとする
- 前職の肩書やスキルを持ち出して自慢する
- 前の会社や仕事内容と比べようとする
上記のような態度や言動がある場合、プライドが高く、新しい会社や仕事仲間に馴染めない人と思われてしまいます。
中には真摯に仕事や仲間に向き合い、新しい環境に溶け込もうと努力する人も数多くいます。
「年下に教えてもらうなんて惨め」ではなく「新しい環境で0から覚えていこう、馴染もう」とする姿勢・言動こそがポイントです。
50代の転職で失敗してみじめになる人の特徴
50代の転職で失敗することが多いといわれていますが、成功するか否かはその人の考え方や行動によります。
転職で失敗してみじめに感じてしまう人には、ある共通点があるのです。
転職に失敗してみじめになる人が陥りがちな誤解や考え方の原因について紹介します。
- 自分の市場価値を把握できていない
- 自分のアピールポイントを理解できていない
- プライドが高い
- 転職先への条件をこだわりすぎている
- 転職先を焦って決めてしまう
- 待遇や環境の変化に耐えられない
自分の市場価値を把握できていない
転職で失敗して惨めな思いをする人の最大の特徴は「自分の市場価値を正しく把握できていない」です。
市場価値とは、社会にとってどれだけ重要であるかを示す指標であり、スキルや経験、知識などである程度測ることができます。
中には、求められているものを察知する力が弱まり世間とのずれが生じてしまうケースもあるのです。
狭い視野で測った市場価値を軸に転職活動をした場合、認識のずれに気づかず転職が難航することになってしまうでしょう。
自分のアピールポイントを理解できていない
自分のアピールポイントを理解できていない人は、転職活動が難航し、失敗することが多々あります。
自分の強みや仕事で活かせるポイントを正確に読み取り、いかに活用できるかを転職希望先にアピールしてこそ、成功に繋がります。
しかし、自分のアピールポイントを正しく認識していない場合、企業へのアプローチも的を外したものになってしまいます。
結果として、転職活動の場面で自分の強みを発揮できずアピールできないために失敗し、惨めになるといえるでしょう。
プライドが高い
年齢を重ねるごとにプライドが高くなる人も数多くいます。
これまで乗り越えてきた苦難の数々、こなしてきた仕事の量などからプライドが高くなりがちです。
長年積み重ねられてきたプライドの高さが転職の邪魔をしてしまう場面も見られるため、ミドル世代の転職は要注意といえます。
プライドの高さ故に妥協できない部分が増えてしまい、自分の可能性や転職希望先を狭めてしまいかねません。
転職先への条件をこだわりすぎている
転職先に求めるものや条件をこだわりすぎて、幅を狭めてしまい結局転職先がなくなってしまうこともあります。
自分にとって譲れないものが増えてしまうことで、「守るための条件」を増やしてしまうのです。
通勤手段、収入、役職など転職先に求める条件を増やせば増やすほど、転職可能性は狭まってしまいます。
転職先の条件をこだわりすぎるあまり、精神的に追い詰められたり、焦りから転職活動が失敗したりする可能性もなきにしもあらずです。
転職先を焦って決めてしまう
年齢や企業とのニーズの違いなどから転職活動は難航しがちなミドル世代ですが、不採用が続くと焦りが生まれてきます。
頭では分かっていたとしても、生活や職歴などの点から焦りが抑えられなくなり転職先を慌てて決めてしまう人が後を絶ちません。
焦って決めてしまうと、転職の目的とズレた企業に入社してしまい、後悔する可能性が高くなります。
焦りの気持ちは正しい判断を鈍らせ、混乱を招いてしまうものです。
最終的に再度転職をしたくなる、企業の人と人間関係がうまくいかない、仕事に熱意を持てないといったデメリットも起こりえます。
待遇や環境の変化に耐えられない
年齢を重ねるごとに変化に弱くなる傾向にあります。
中には、これまでの待遇や環境のよさが原因で、変化を受け入れられない人もいるでしょう。
転職によって環境や仕事内容が変わる以上、待遇や環境の変化はつきものです。
待遇や環境の変化に対応しきれないことで、精神面のバランスを崩してしまい転職後のストレスや問題につながるといえます。
50代でも転職先がすぐ決まる人の特徴
50代は企業とのミスマッチやプライドが原因で、転職活動が難航する人も多くいます。
しかしその一方で、転職先がすぐ決まるケースもあります。
転職先がすぐ決まる人の場合、仕事の面や人間関係で共通点がありますが、その特徴は以下のとおりです。
経験や実績が豊富
経験や実績が豊富である人の場合、すぐに転職先が決まる傾向があります。
経験や実績はミドル世代だからこそ持ち合わせているものといっても過言ではありません。
経験や実績が豊富であればあるほど、企業に求められ、さらに新しい企業でも活かせるものが見つかるでしょう。
ミドル世代に即戦力としての力を期待している企業からみると、経験や実績の豊富さはすなわち仕事の成功に直結しているといえます。
マネジメントスキルが高い
マネジメントスキルとは、組織管理能力、すなわち企業にとって、必要不可欠なものです。
マネジメントスキルを持ち合わせている人は業績アップに貢献できると考えられています。
仕事を遂行する力のみならず、人間関係を築く力があるとされ年収水準を維持、もしくは年収アップが見込めるといえます。
マネジメントスキルは多様な仕事に活かせる汎用性の高いスキルであることから、転職後も活用できるとされ、重宝されるのです。
人脈が広い
人脈の広さで就活を制するといっても過言ではありません。
人伝の紹介で採用する方法は、リファラル採用(紹介採用)と呼ばれています。
転職がすぐに決まる人が利用している手法であり、知人の紹介がきっかけでご縁があり、仕事が決まることも珍しくありません。
リファラル採用は企業から見ても求職者から見てもメリットが大きい採用方法です。
可能であれば、積極的に利用したい方法の1つといえます。
- 企業側にとっては身元や実績が保証されている人に応募してもらえる
- 書類選考や面接が一部免除になる可能性もある
- 求職者にとって、採用確率が上がるケースもある
仕事やプライベートなどで培った広い人脈を駆使した転職も方法の1つですので、周囲に積極的にアピールするのもおすすめです。
50代の転職成功率を上げるコツ
50代の転職は捉え方や取り組み方を間違えると難航してしまいますが、成功率を上げるためにすぐにできることも多々あります。
転職成功率を上げるために必要な基本的な考え方に加え、是非とも取り組んでおきたいことを紹介するので、参考にしてください。
企業が50代の人材に求めていることを理解する
当然ですが、50代の人に対しては新卒に求めているもの、若手転職者に求めているものとは全く異なるものを求めています。
そのため、求められているものを正しく理解し転職活動に挑まないと、思わぬ失敗をしがちです。
求められているものを理解しないまま転職活動を行い、見当違いのアピールを続けていても転職の成功は遠くなってしまいます。
ミドルシニアマガジン「40代を採用する理由」「50代を採用する理由」の調査によると、企業が40代・50代の人材だからこそ求めているものは以下のとおりです。
- 豊富な経験
- 高い専門性
- モラルや責任感
若手と同じ土俵で戦うのではなく、ミドル世代だからこそ持っているもので勝負をするべきでしょう。
長年積み重ねてきた知識や経験を理解し、武器として転職市場で戦うことが成功のポイントです。
年収ダウンを恐れない
ミドル世代の転職の場合、年収ダウンも可能性としては否定できません。
企業にとって、いい人材をなるべく賃金を抑える形で採用したいと考えるのは当然です。
ミドル世代は会社で積み上げてきた実績や役職などからある程度の年収を手に入れているケースも多々あります。
しかし、転職することで経歴や役職がリセットされ年収が下がるケースもあるのです。
年収ダウンや生活レベルの低下を不安視するあまり、転職に失敗するケースもあるのです。
年収ダウンに対して過剰な恐れを抱かずに転職を成功させるポイントは以下のとおりです。
- 転職する理由や譲れない軸を決める
- 転職の理由・年収面も含めて家族と十分に話し合う
- 許容できる年収ダウンの割合をあらかじめ決めておく
家族がいるミドル世代の場合、転職は自分1人の問題ではありません。
転職する理由や譲れないポイントをあらかじめ決めた上で、家族の理解を得られるよう、十分に話し合う必要があります。
生活に必要な金額と対比しながら、具体的な数字を弾き出すのがポイントです。
どのくらいまでであれば年収ダウンを許容できるか決めておくと、転職中に気持ちが揺らぎにくくなるでしょう。
また、年収ダウンも受け入れながら自分の軸を大切にした転職活動を続けることで、仕事のやりがいやQOLの向上につながりやすくなります。
中小企業やベンチャー企業を候補に入れる
ミドル世代の転職の場合、これまでの役職や年収、ネームバリューにこだわりを持つ人も多いでしょう。
場合によっては、中小企業やベンチャー企業なども転職先の候補として考えると幅が広がりやすくなります。
中小企業やベンチャー企業ならではのポイントや、転職先の候補に入れるメリットは以下のとおりです。
- 転職活動の競争率を下げることができる
- 仕事の幅が広がりやすい
- 自分の成果が会社に与える影響が大きい
- 業務における個人的な裁量が大きい
- 経営者の近くで仕事ができる
- 柔軟な働き方がしやすい
- 実力次第で高年収を狙える
中小企業やベンチャー企業は大々的に求人を出していないケースもあるため、大手企業よりも競争率が下がる傾向にあります。
また、少数精鋭で仕事を回していることも多々あるため、柔軟な働き方や高収入を目指せる可能性もあるのです。
中小企業やベンチャー企業の場合、ミドル世代の知識や経験が貴重な戦力として活かせることも考えられます。
正社員での雇用に執着しない
ミドル世代の転職の場合、雇用形態に執着しないことが成功の秘訣になるケースがあります。
長年正社員で働いてきた人の中には、「正社員以外考えられない」「非正規雇用は不安定で、老後が不安」と考える人もいるでしょう。
しかし、企業として戦力で求めているのが若年層であり、ミドル世代に向けた正社員の中途採用は求人数が少ない傾向にあります。
正社員に拘らず非正規募集も含めて求人に視野を広げると、見えてくるものもあるでしょう。
場合によっては、非正規雇用で働きながら正規雇用を探し続けるのがおすすめです。
プライドは捨てる
ミドル世代に多い特徴として「仕事などに対して高いプライドを持っている」ことが挙げられます。
これまで積み上げてきた実績や経験に基づいたプライドを持つこと自体は悪いことではありません。
しかし、あまりにもプライドが高すぎると周囲との温度差や関係性に影響が出てしまいます。
「扱いづらい」「仕事の指示を出しにくい」「周囲とうまく関われない」と判断されやすくなるのです。
例え前の職場でどれほど経験や知識・役職があろうと、一度職場を離れ転職をすれば「1人の新人」です。
仕事の邪魔になる、周囲との関係性にヒビが入りかねないプライドは捨てることが転職成功への近道です。
50代の転職で失敗しない企業の選び方
50代の転職で失敗しがちな人もいる中で、成功する人もいます。
成功する人に共通することとして「企業選びが成功している」ことが挙げられます。
50代の転職だからこそ押さえておきたい、転職先企業の選び方は以下のとおりです。
- 転職軸を明確にする
- 企業理念・価値観のあった会社を選ぶ
- 役職定年の有無・70歳雇用制度のある会社を選ぶ
転職軸を明確にする
自分にとって譲れないポイントである「転職軸」を明確にすることがポイントです。
軸を定めることによって、目的や方針を明確にした意味のある転職を実現できます。
転職の軸となる部分は人それぞれでしょう。
自分にとって譲れないものや条件を理由を含めて具体的に言葉にすることで、転職の軸が見えてきます。
- 年収(現在の年収と比べた額や目標額。何割減までなら許容できるかなど)
- 福利厚生
- 勤務地(転勤の有無、通勤時間など)
- 仕事内容(キャリアアップやキャリアチェンジ)
- 仕事や会社の将来性
- 仕事を通じて実現したいこと
全てが自分の理想を叶えてくれる企業に出会うことはほぼ不可能に近いため、優先順位をつける必要があります。
上記は転職軸を決める際に考慮したい点ですが、譲れないポイントに優先順位をつけると見えてくるものがあるでしょう。
企業理念・価値観のあった会社を選ぶ
働く上で、その企業の理念や価値観などの文化が自分に合っているかを知ることはマストといえます。
50代で転職となると、共に働く同僚や上司は年下であることがほとんどです。
その上で、会社の雰囲気や働く人の考え方に馴染めそうか否かを確認することで、大きなギャップは回避できるでしょう。
会社の雰囲気や働く人の特徴を捉えるためにおすすめの手段として、以下の方法があります。
- 会社のホームページの確認
- 口コミサイトの閲覧
- 転職エージェントを利用した確認
会社のホームページには掲載されない生の声やリアルな社風、多い年齢層や金属年数を確認できるでしょう。
企業と自分自身の価値観や理念のすり合わせや確認に役立つはずです。
役職定年の有無・70歳雇用制度のある会社を選ぶ
今日は平均寿命が伸びていること、多様な働き方や生きがいが尊重されてい時代です。
「いかに長く、やりがいを持って働き続けられるか」が仕事選びのポイントとして大きな比重を占めているといえます。
近年多く見られる制度として、役職定年や70歳雇用制度が挙げられます。
役職定年とは
役職についている社員であっても、一定の年齢に達すると役職を外れることになる人事制度。
役職がなくなることで、給与が下がる人は9割以上と言われているものの、引き続き企業に所属し、のちの世代の育成や指導、相談などをメインの業務として仕事を続けることが可能。
70歳雇用制度とは
従来であれば60歳定年制を採用している企業が多かったものの、2020年に行われた高年齢者雇用安定法の改正がきっかけで、定年制度が見直されてきている。
働きたいと考える意欲が高い人々が働き続けられる土壌づくりの一環ともいえる。
定年制度自体の廃止、70歳までの定年延長など。※定年の廃止や延長は企業の努力義務であり、必須ではない。
通常の60歳定年制の場合、採用されたとしても働ける期間が非常に短く十分な力が発揮できないことが懸念材料です。
そのため、求職者にとっても企業にとってもミドル世代採用のメリットが感じられない場合があります。
しかし、上記のような制度が整っている企業で働くことで、長期的に安定して働けるメリットがあります。
長期的に働ける制度の有無は企業のホームページの他にも、転職エージェントへの問い合わせで確認することが可能です。
50代におすすめの転職エージェント
50代の転職の場合、客観的なキャリアの棚卸しや自分のスキルや軸に適した企業探しを全て自分で行うとなると難しいものがあります。
転職エージェントを活用することで、効率よく転職を進めることができるでしょう。
また、自分では気づかなかった強みや転職の軸に合致した企業に出会う可能性も高まるため、転職の幅を広げることにも一役買う存在となります。
転職エージェントは数多くありますが、中でも実績・保有求人数など総合的に判断しておすすめのものは以下のとおりです。
おすすめ転職サイト | 求人数 | 対応地域 | 職種 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
約36万件 | 日本全国 | 全職種 | ・圧倒的な求人数の多さ ・どの年代や職種にも対応 | |
約18万件 | 日本全国 | 全職種 | ・充実した内容や専門性の高いキャリアドバイザーによるサポート | |
約3万件 | 日本全国 | ハイクラス中心 | ・ハイクラス向けの転職エージェント ・女性向けの転職にも力を入れている |
リクルートエージェント
運営 | 株式会社リクルート |
求人数 | 約36万件 |
対応地域 | 日本全国 |
職種 | 全職種 |
公式サイト | https://www.r-agent.com/business/ |
- 転職成功実績がNo.1なので信頼できる
- 公開、非公開の求人あわせても21万件以上の求人数
- 専門のコンサルタントがフルサポートしてくれるので初心者にも安心
リクルートエージェントはこれまでの転職成功実績や求人数がトップクラスの転職エージェントです。
幅広い業種や勤務地、仕事内容に対応しているため、ミドル世代が求めている働き方にも柔軟に対応できるでしょう。
転職希望者へのヒアリングが丁寧なことにも定評があるため、細かい希望や働く上で譲れないポイントなどをじっくり相談した上で転職を進めることができます。
アプリなどの便利なツールも用意されているため、仕事で忙しい人もスキマ時間で効率よく転職活動のスケジュールを決められるのも魅力の1つです。
doda
運営 | パーソルキャリア株式会社 |
求人数 | 約18万件 |
対応地域 | 日本全国 |
職種 | 全職種 |
公式サイト | https://doda.jp/ |
- 圧倒的な公開求人数
- 全国展開+全職種対応で幅広い転職者に向けたサービス
- エージェンサービスにも対応しているので転職経験が浅い方でも安心
dodaのエージェントサービスは全国展開かつ全職種に対応している求人を多数保有しているため、さまざまな転職のあり方に対応可能です。
求人サイトも運営しているため、転職エージェントと並行して転職活動を進めることもできるでしょう。
また、転職エージェントの利用期間は無制限のため、転職期間が長引くことが懸念されるミドル世代もゆとりを持って転職活動に励むことができます。
最大の特徴はキャリアドバイザーと採用プロジェクト担当の2本柱でサポートしてもらえる点です。
転職活動をするにあたって、1対1で転職者をサポートするキャリアドバイザーと、企業との交渉を担当する採用プロジェクト担当がいるため細かいニーズにも対応可能です。
パソナキャリア
運営 | 株式会社パソナ |
求人数 | 約3万件 |
対応地域 | 日本全国 |
職種 | ハイクラス中心 |
公式サイト | https://www.pasonacareer.jp/ |
- ハイクラス系の職種・業種が中心
- 面接対策から年収の交渉などアドバイザーのサポートが手厚い
- オリコン顧客満足度で転職エージェント総合1位を取っている
パソナキャリアは、ハイクラス転職を希望しているミドル世代に特におすすめしたい転職エージェントです。
年収や役職など、ハイクラスと呼ばれる求人をメインに保有しているため、ミドル世代の転職として更なる高みを目指したいと考えている人は登録するべきでしょう。
パソナキャリアを利用した転職後の年収アップ率は67.1%(自社調べ)というデータがあることからも、年収アップに強みがあるといえます。
これまでのスキルや経験を武器にさらに好条件の転職を希望している場合は活用してみてはいかがでしょうか。
50代の転職は厳しい・みじめだと言われている原因まとめ
- ミドル世代の採用に消極的な企業が多く、求職者と企業とのミスマッチから転職活動が長期化しやすい
- 転職先は、仕事を通じてやりたいことや転職で譲れない軸などを定めると決まりやすい
- 上司が年下、転職によって年収や役職など下がる可能性もある
- 転職成功のためには、市場価値の把握した上でアピールポイントを押さえる
- 中小企業やベンチャー企業、非正規なども視野に入れて転職活動をするべき
50代の転職は自らの市場価値やスキルなどを客観的に正しく把握しないと、ミスマッチが原因で失敗する恐れもあります。
転職で年収アップや役職がつくとは限りません。場合によっては、年収ダウンや年下の上司のもとで新しい仕事を覚えることもあり得る話です。
よりよい転職を実現させるためにも、余計なプライドは捨てて気持ちを新たに再スタートを切るつもりで仕事に向き合うことがポイントといえます。
場合によっては中小企業やベンチャー企業、非正規求人も視野に入れながら、焦らず転職活動をすることが成功のカギです。
収入や生活レベル、守るべき家族などの関係もありますが、自分が大切にしたいもの、譲れないものの軸をはっきりさせた上で、希望する仕事に出会えるよう働きかける必要があります。