転職しようと求人情報を見ている人の多くが気になる項目は、年間休日の日数です。
各社それぞれ定めている休日の日数は異なりますが、年間110日と提示している会社も多々あります。
しかし、年間休日110日は実際に働くとしんどいと言われています。
この記事では年間休日110日がしんどいと言われている理由と、休日日数ごとの比較などを紹介していきます。
具体的な数字や体感しやすい表現で年間休日110日の実態を知ると、転職すべきかどうかの検討材料になるはずです。
年間休日110日とは
働く人の権利として与えられている有給休暇を除いた、会社で定められている休日日数が110日という意味です。
1年間は365日(閏年の場合366日)あるので、数字上では3日に1日休める計算といえますが、詳しい実態は以下の項目で紹介していきます。
年間休日110日の内訳
一例ですが2023年で見てみると、週休2日制に基づく週休日は105日、土日に重ならない祝日・振替休日は13日です。
今日の会社で定められている休日は、週休2日制がほとんどです。
年間休日110日と提示している場合は、週休2日制に基づく休日とは別に、休暇が5日与えられていることを意味します。
わかりやすく例えると、土日は休めるものの、ゴールデンウィークなどの祝日やお盆・年末年始休暇は取れる日と取れない日があるということです。
一例として、年間休日110日の会社スケジュールは以下のとおりです。
- 土日は休める。祝日休みも年に数回あるものの、お盆や年末年始は仕事
- 土日、お盆や年末年始休暇はあるが、祝日や振替休日カレンダー赤字の日は全て仕事
このことから、多くの人が長期的に休んでいる中、仕事をしなければならないことを意味します。
年間休日110日の場合は、旅行などで長期的な休みをとるのも容易ではありません。
3日以上の休みを希望する場合、個人的に有給休暇を取得しなければ休めない現状があるのです。
年間休日の平均値は?
日本の企業における年間休日の平均値は、従業員の人数・規模によって異なります。
人数・規模によって異なるものの、概ね企業規模と年間休日日数は比例しているのが現状です。
年間休日の平均値は以下のとおりです。
- 30〜99人:109日
- 100〜299人:113日
- 300〜399人:115日
- 1000人以上:117日
厚生労働省・令和3年就労条件総合調査によると、企業あたりの年間休日は110.5日です。
つまり、年間休日110日は日本企業全体の平均値であり、110日の年間休日は多過ぎず少なすぎずといった日数といえます。
年間休日110日は法律的に問題ない?
結論からいうと、年間休日110日は法的には問題ないものの、労働基準法の最低ラインです。
最低ラインの理由としては、1週間での休日数と労働時間の定めで弾き出した日数が挙げられます。
労働基準法には、年間休日の定めがない一方で、1週間での休日数と労働時間の定めは存在するのが実情です。
これらの法律から以下のように計算し、最低限の年間休日数を弾き出すと最低限必要な休日日数は105日となります。
- 労働基準法で1週間のうちの労働時間は40時間までと定められている。
1年間は52週あるため、×52の時間を求める
40時間×52週=2080時間 - 1年あたりの労働時間の上限2080時間を1日の労働時間
(労働基準法で定められた1日あたりの上限勤務時間は8時間)でわる
2080時間÷8時間=260日
上記の計算から、年間260日までは法の定めに則り働けるので、年間休日は105日あれば法律上は問題はないことを示しています。
ちなみに、年間休日110日より少ない場合、労働基準法の「第四章 労働時間、休憩、休日及び年次有給休暇」にある通り、即座に違反になることはありません。
使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。
労働基準法32条
使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。
労働環境によっては、1日あたりの勤務時間や1週間あたりの勤務時間合計が法定労働時間を超えてしまうことも懸念されます。
しかしそのような場合でも、「1年単位の変形労働時間制」が適用されるため、即座に法律違反とはなりません。
1年単位の変形労働時間制を利用することで、長期的な合計労働時間で法律違反の有無を見ていくことができるのです。
- 1日8時間勤務の週2日休みの場合、8時間×52週から104日以上の休みが必要
- 1日7.5時間勤務の週2日休みの場合、7.5時間×52週から87日以上の休みが必要
上記の計算や法律などから、最低限の休日日数しか確保されていないことを意味します。
年間休日110日はしんどいと感じる?休日ごとの比較
年間休日110日の会社で働き続けるのは、働き方や状況によってはしんどさを感じる場合があります。
なぜなら、仕事の拘束時間上しっかりと休めずにまた仕事が始まってしまうためです。
体力や気力が回復する前に仕事が始まるため、自分でも気がづかないうちに疲れが蓄積されてしまいます。
年間休日110日のしんどさがどのようなものか、年間休日が110日より多い場合と少ない場合で比べていきます。
- 年間休日110日の働き方
- 年間休日120日との比較
- 年間休日105日との比較
年間休日110日の働き方
年間休日110日の働き方で多くみられるパターンの一例です。
- 完全週休2日制を採用している会社:
週2回の休み(土日休みなど)は確実にあるが、祝日の休みがない。
お盆や年末年始の休みはあることが多い。 - 祝日に休む会社:
祝日に休みを充てるかわりに、一部の土日を出勤日とする
(土曜日は隔週出勤、月1回は土日出勤ありなど)
上記のような年間スケジュールがありますが、年間休日110日の企業の場合、多くが週休2日制を採用しています。
そのため、「1週間のうち5日間働き、2日休み」のサイクルを繰り返し、年末年始やお盆休みに少し休めるといった働き方となります。
なお、祝日の休みは確保することができません。
長年続けていれば、体力的にも慣れてくるため絶対的に不可能ではない働き方です。
しかし、何か大きなトラブルに見舞われた際や、将来のこと深く考えるタイミングが来た時、現状に対する不満が出てくる可能性もあります。
年間休日120日との比較
年間休日 | 110日 | 120日 |
---|---|---|
土日休み | 〇 | 〇 |
祝日 | × | 〇 |
お盆・年末年始 | 〇 | 〇 |
年間休日110日と120日の働き方を比較すると、祝日の有無が大きな違いです。
日本にはさまざまな祝日がありますが、年間を通して17日前後あります。
2023年の場合、17日ある祝日のうち13日は土日に重ならないので、年間休日120日の人が休める13日間は、働かなければならない計算となります。
年間休日120日の場合、祝日や長期休暇も休めることが特徴ですが、年間休日110日では祝日休みや長期休暇もほとんどありません。
そのため、仕事を忘れて思いっきりリフレッシュをする機会がなかなか作れないといえます。
年間休日105日との比較
年間休日 | 110日 | 105日 |
---|---|---|
土日休み | 〇 | 土日出勤有 |
祝日 | × | × |
お盆・年末年始 | 〇 | △ |
年間休日110日と比較すると年間休日は5日間の差ですが、普段の土日の休みやお盆・年末年始休みの有無に大きく関わってきます。
土日全て休んだ場合、それだけで年間休日の日数は104日となるため、お盆や年末年始休暇など他の休日が取れません。
そのため、年間休日105日の場合、毎週土日休みとは限らず、何度か土日で出勤する必要があります。
結果として連休はほぼ不可能、自分の時間がなかなか取れない働き方を覚悟しなければならないのです。
年間休日110日を上回る企業は?
ここでは、年間休日を長く設定している傾向のある職業を紹介します。
ワークバランスを重視する方は、この機会に転職を視野に入れてみてはいかがでしょうか。
IT企業と外資系企業
IT企業と外資系企業は、年間休日が長い傾向にあります。
特にベンチャー企業やスタートアップ企業は、社員のワークライフバランスを重視して、年間休日を長く設定していることが多いようです。
公務員
公務員の年間休日は、土日祝日と年末年始休暇、夏季休暇を合わせると、約125日~130日程度です。
特に、国家公務員は地方公務員よりも年間休日が長くなります。
年間休日110日を上回る企業に就職するメリット
ここまで年間休日110日を基準に休みのとり方や感じ方などを紹介してきました。
ここではは、年間休日110日を上回る企業に就職するメリットについて解説していきます。
年間休日は仕事とプライベート両立のためにも見逃せないポイントのため、メリットも考慮しながら転職などを検討してください。
仕事とプライベートのバランスが取りやすい
年間休日が110日より多い企業で働くと、仕事とプライベートの両立がはかりやすくなります。
理由としては労働時間が全体的に短くなり、仕事とプライベートのメリハリが生まれることでバランスが取りやすくなるためです。
仕事一辺倒ではなく、家族や友人との思い出作り、自分の趣味のための時間を充てることができます。
結果として、仕事のストレス軽減や健康維持効果もある期待できます。
長期休暇の取得がしやすい
年間休日が110日より多い企業の場合、3日以上の長期休暇が取得しやすいです。
比較的長期休暇を取得しやすい環境や制度が整っていることに加え、会社として社員のワークライフバランスを考慮している姿勢が伺えます。
また、制度を用意するのみではなく、「働く時は働き、休む時は休んでリフレッシュ」の考え方が浸透しているため制度の利用を促すケースも多々見られます。
年間休日110日以下の企業と比べると「上司が休みをとっていないから休めない」「特別休暇の希望が通らない」といったことも比較的少ないです。
会社全体で「メリハリをつけて体調を万全に整えてまた働こう」といった考え方や仕組みづくりが整っているといえます。
精神的・体力的に余裕ができる
年間休日が110日より多い企業で働くと、長期的な休みも摂りやすくなるため、精神的にも体力的にも余裕が生まれるメリットがあります。
どれほどやりがいのある業務内容だとしても、時間のほとんどを仕事で占めている状態では、体力も気力もベストを保てません。
仕事でベストコンディションを保つためには、休暇とリフレッシュが必要です。
年間休日110日を超える企業は、土日休みやお盆・年末年始の休み、祝日や会社で定められている特別休暇もあるため、ゆとりを持って働くことができます。
年間休日110日がしんどい人におすすめの転職エージェント
おすすめ転職サイト | 求人数 | 対応地域 | 職種 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
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約18万件 | 日本全国 | 全職種 | ・充実した内容や専門性の高いキャリアドバイザーによるサポート | |
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年間休日110日がしんどいと感じる人が現状を変える方法としておすすめなのが転職です。
ただし、転職に関するタスクや行動を1人で全てやろうとするのは労力がかかります。
希望する仕事や年収を最短で確実に手にいれるためには転職エージェントの手を借りるのが近道です。
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年間休日110日はしんどい理由のまとめ
- 年間休日110日の場合、祝日が休めないことが多く周囲が休んでいる中仕事をしなければならない
- よりよいパフォーマンスをキープし続けるためには、休みと仕事のメリハリが必要
- 年間休日110日で仕事に対してしんどさを感じるようであれば、エージェントなどを活用して転職するのも方法の1つ
年間休日110日の場合、週休2日制、お盆や年末年始などの1年のうち1、2回しか長期的な休暇は期待できません。
どれほど興味がありやりがいがある仕事だとしても、十分な休暇がとれないことで仕事の疲れやストレスが知らず知らずのうちに溜まっている状態になりがちです。
年間休日110日にしんどさを感じる場合は、転職も視野に入れて今後の働き方を検討してみてはいかがでしょうか。