海外FXは追証がない?ゼロカットシステムの仕組みと追証なしのおすすめ業者5選
海外FXには、追証はありません。
しかし、何か裏があるのでは?と疑っている方も多いのではないでしょうか。
このような方に向けて、本記事では現役トレーダーの筆者が「海外FXの追証」について徹底的に解説しています。
追証で借金をする可能性がある
追加証拠金の略称を指します。
本来、FXではロスカットシステムと呼ばれる制度を導入しており、ある基準よりも証拠金が減ったら強制的にポジションを決済します。
しかし、何らかの理由で急激な価格変動があると、ロスカットが間に合わず証拠金以上の損失が発生します。
この損失を補填するために、FX業者がトレーダーに要求するのが追証です。
追証が発生すると、トレーダーは追加の資金を支払わなければならず、トレードの規模によっては借金してでも返済しなければなりません。
しかし、追証は国内FX業者の話であって、海外ではトレーダーの損失を別の方法で補填します。
ゼロカットシステムとは?
ゼロカットシステムは、海外FX業者が採用している損失補填制度です。
国内FXではトレーダーが損失を補填するのに対し、海外FXでは業者が損失を負担します。
たとえ含み損が1億円あったとしても、口座残高が0になるだけで追証も発生しません。
どれだけ大きな損失があっても借金をする必要がないため、トレーダーにとって非常に心強いシステムといえます。
ロスカットとゼロカットシステムの違いは?
ロスカットシステムとゼロカットシステムの違いを表にまとめました。
ロスカットシステム | ゼロカットシステム | |
---|---|---|
発動するタイミング | 証拠金維持率がある一定の水準まで下回った場合 | 口座残高以上の損失が発生した場合 |
利用できる業者 | 両方 | 海外FXのみ |
まず、ロスカットシステムでは、証拠金維持率がある基準まで減った際にポジションを強制的に決済します。
証拠金維持率と必要証拠金は、それぞれ以下の公式で算出できます。
- 証拠金維持率:(口座残高÷必要証拠金)×100
- 必要証拠金:通貨価格×通貨量÷レバレッジ25倍
なお、国内では金融庁の取り決めによりレバレッジは25倍までですが、海外ではレバレッジの制限はありません。
対して、ゼロカットシステムは海外FX独自の制度で、口座残高以上の損失が発生した際に発動します。
ゼロカットシステムのメリット
ゼロカットシステムのメリットについて、以下3つの視点から解説します。
ハイリスクな取引ができる
ゼロカットシステムを上手く使えば、ハイリスクな取引ができます。
ゼロカットシステムがあれば、どれだけ含み損が大きくても損失はFX業者がカバーします。
しかも、海外FX業者にはレバレッジの制限はなく、25倍以上のレバレッジで取引が可能です。
中には、1000倍以上のレバレッジを提供する業者もいるため、多少軍資金が少なくても大きなポジションを取れます。
海外FXのハイレバについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
借金を背負うリスクがない
ゼロカットシステムでは海外FX業者が損失を肩代わりするため、借金するリスクを心配する必要がありません。
口座残高がゼロになるだけなので、失ってもいいと思える額だけ口座に入れておけばいいとも言えます。
ただし、借金しないからといって闇雲にトレードをするのは危険です。
急激な市場変動によって巨額の損失を被る可能性があるため、身の丈にあったトレードをすることが肝心です。
プレッシャーがなくなる
借金が無いということは、追証のプレッシャーがなくなるともいえます。
入金額以上のマイナスに陥ることがないため、新しい手法や異なる口座タイプを試すなど、今までとは違うトレードに挑戦しやすいです。
とはいえ、業者の倒産などの理由で口座残高がゼロになる可能性はあります。
ゼロカットシステムに加えて、信託保全のある海外FX業者を選択することで、さらにプレッシャーの少ない取引が実現します。
ゼロカットシステムのデメリット
では、逆にゼロカットシステムのデメリットについて以下5つの観点から解説します。
ギャンブル的トレードになってしまう
ゼロカットシステムがある分、トレードが気楽になりギャンブルになる可能性があります。
そのため、損切りのタイミングが早まったり遅くなったりして、むしろ損失が増える可能性が高まります。
しかし、FXで利益を出すためには、リスクリワードを最大化したトレードをするのが重要です。
無計画にトレードをするのではなく、徹底的にリスク管理を行い利益が損失を上回るようなトレードを心がけましょう。
長期的に稼ぐためには、ゼロカットシステムの利点を生かした計画的なトレードが重要です。
FX業者が倒産するリスクがある
FX業者が倒産するリスクも考えておきましょう。
大手海外FX業者のアルパリUKは2015年のスイスフランショック時に破綻に追い込まれました。
急激な価格変動により多くのトレーダーが損をしたため、その損失を支払いきれなかったのが原因です。
そのため、倒産する可能性があるかどうかは資金の管理方法として分別管理か信託保全をしているかを確認しましょう。
海外FXの危険性について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
悪質業者もいる
残念ながら、一部の業者にはゼロカットシステム導入を謳っておきながら追証を請求した悪質な業者も存在します。
「FXDD」はその最たるもので、2015年のスイスフランショックでは損失を支払いきれずトレーダーに追証を請求しました。
悪質な業者から身を守るためにも、業者の評判や過去に通貨が暴落した際にゼロカットを執行したかどうかを確認することが重要です。
ボーナスは消滅する
海外FX業者の中には、キャンペーンでボーナスを提供している業者もあります。
しかし、口座残高がマイナスになった場合、損失はまずボーナスで補填される点に注意してください。
ボーナスで補填された後に、初めてゼロカットが執行されます。
もし、ボーナス残高がある状態でゼロカットが執行されると、保有しているボーナスは消滅してしまいます。
ボーナスを利用する際には、損失やゼロカットによって消滅するリスクがあると認識しておきましょう。
海外FXのボーナスについて詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
規約違反に問われる手法もある
窓開けと両建てといったトレードによっては、規約違反に問われる可能性があります。
週末など市場が休みの際に価格に影響があるイベントが発生し、価格が週末とは大きく異なる状態を指します。
仮に週末にポジションを取り窓開けによる損失があった場合、補填はゼロカット分だけです。
しかし、一部のFX業者では窓開けを利用した手法を規約違反としています。
さらに、複数のFX口座で売りと買い両方のポジションを持つ「両建て」も、一部の業者によっては規約違反と見なされます。
どちらも業者から口座凍結などの制裁を受ける可能性があるため、規約の範囲内でトレードをしましょう。
海外FXと国内FXのゼロカットに関する違い
海外FXと国内FXのゼロカットに関する違いを、収益構造から見てみましょう。
収益構造の違い
国内FXと海外FXの収益構造は、以下2つの注文方式の違いから始まります。
- 国内FX:DD(ディーリングデスク)方式
- 海外FX:NDD(ノンディーリングデスク)方式
まず、NDD方式ではトレーダーの注文はすべてインターバンク市場に流します。
インターバンク市場には、個人は参加できないため注文を流す際に少額の手数料(スプレッド)を取ります。
この手数料が主な収益源となりますが、まともに稼ぐには相応の取引量が必要です。
そこで、ゼロカットシステムで安全性をアピールし、より多くのトレーダーを囲い込みます。
対して、DD方式では業者自身が注文を受け持つため、トレーダーの損失も収益源となります。
海外FXのNDD方式について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
ゼロカットが執行されるタイミング
ゼロカットが執行されるタイミングは業者によって異なります。
タイミングを解説する前に、実際にゼロカットが執行される手順を解説します。
ゼロカットが執行される手順
ゼロカットが執行される手順を、海外FX業者のBigBossを例に解説します。
- トレーダーの口座残高以上に含み損が発生する
- 含み損を残高か他に残高のある口座から補填
- 残ったマイナス分に対してゼロカットが執行
FX業者ごとにゼロカットの仕組みや条件は異なるため、事前に利用規約は抑えておきましょう。
ゼロカットのタイミングは業者による
ゼロカットシステムが執行されるタイミングは業者によります。
以降、紹介するFX業者別にまとめてみました。
業者 | 執行タイミング |
---|---|
XMTrading | 追加入金や資金移動があり次第、即時執行 |
HFM | 残高がマイナスになった際に24時間以内 |
AXIORY | 残高がマイナスになった際に24時間以内 |
FXGT | 残高がマイナスになった際に24時間以内 |
Titan FX | 夏時間:午前6時 冬時間:午後7時 |
どの業者も執行時間に差異はあれど、ロスカットは自動執行されます。
ゼロカットシステムがある追証なしの海外FX業者ランキングTOP5
ゼロカットシステムを採用していれば、どの業者でもいいというわけではありません。
以下にゼロカットシステムを採用している海外FX業者の中でも利用しやすい業者トップ5をまとめました。
- XMTrading
- HFM
- AXIORY
- FXGT
- TitanFX
それぞれ、解説いたします。
1位:XMTrading
XMTradingは、日本人利用者数No.1の海外FX業者で、高い安全性と信頼性を誇る大手業者です。
セーシェルとモーリシャスの国際金融ライセンスを取得しており、その規制の厳格さから高い安全性が裏付けられています。
さらに、XMTradingでは総額100万円以上の入金ボーナスが用意されています。口座解説時にもボーナスがあるので、軍資金が限られているトレーダーにとっては有効です。
どの海外FX業者にしようか迷ったら、まずはXMTradingから始めてみてはいかがでしょうか。
公式サイト:https://xmtrading.com
XMの口座開設方法については以下の記事を参考にしてください。
2位:HFM
HFMは業界最多クラスの6つの金融ライセンスを取得しており、高い規制基準を満たしていることが分かります。
さらに、HFMは入金ボーナス以外のキャンペーンも豊富です。
たとえば「リターン・オブ・フリーマージン」では余剰証拠金や取引量に応じて利息を還元します。
また「ロイヤリティプログラム」では取引成績に応じて様々な景品と交換可能です。
HFMは高い信頼性と多くのキャンペーンによって、多くの支持を集めています。
キャンペーンを重視するトレーダーにとっては、魅力的な選択肢といえます。
HFMの口座開設方法については以下の記事を参考にしてください。
3位:AXIORY
AXIORY(アキシオリー)は業界最高水準の低スプレッドを提供している上、スキャルピングによる制限がほとんどありません。
信託保全もあるため、万が一破綻しても資金は全額保証されます。
スキャルピングトレードを好むトレーダーにとって、AXIORYは強力な選択肢といえるでしょう。
4位:FXGT
FXGTは海外FX業者でありながら、仮想通貨取引にも力を入れています。
口座開設時に15,000円がボーナスとして受け取れるため、軍資金が限られている方にも向いています。
また、FXGTでは最大で1,000倍までのレバレッジを提供しているため、様々な銘柄や条件でトレードが可能です。
FXと仮想通貨を同時に取引したいトレーダーや、少額から始めたい初心者トレーダーにとって、FXGTは魅力的な選択肢と言えるでしょう。
FXGTの口座開設について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
5位:TitanFX
TitanFXも、3位のAXIORY同様にスキャルピングに特化しており、スキャルピングメインのトレーダーにとって非常に魅力的な業者です。
スキャルピングで悩ませるスプレッドも最狭で、なんと0pipsの通貨もあります。
さらに、口座残高によるレバレッジ制限がほとんどないため、自分の取引スタイルに合わせて最適なレバレッジが選べます。
スキャルピングメインのトレーダーにとって、TitanFXはオススメのFX業者です。
ゼロカット目的で海外FXを利用する際の注意点
ゼロカットありきで海外FXを利用する際には、いくつか注意点があります。
それぞれ解説します。
FX業者選の安全性を確認する
FX業者の安全性は、以下の4つのポイントをチェックしましょう。
- 信託保全があるか
信頼性の高いFX業者は、顧客の資金を別口座で管理しています。検討中の業者が、信託保全を実施しているかを確認しましょう。 - 十分な顧客数・資本金があるか
FX業者の規模も重要です。十分な顧客数や資本金が多い業者は、安定性が高い傾向にあります。 - 金融ライセンスがあるか
特に現地のライセンスを取得しているかは重要です。業者のWebサイトでライセンス画像や文書を確認できます。 - 過去の運用実績は信頼できるか
公開されている実績や評判をリサーチし、信頼性を確認しましょう。
倒産リスクを最小限に抑えるには、上記4点をチェックし適切な業者を選ぶのが重要です。
マイナス残高になった直後は発動しない
残高がマイナスになったからといって、すぐにゼロカットは発動しません。
ゼロカットシステムの発動タイミングは業者ごとに異なります。
マイナスになったら即時発動する業者もいれば、申請がない限り発動しない業者もいます。
検討中の業者がいれば、口座開設前には公式ウェブサイトで利用規約を確認しましょう。
海外FXの追証に関するよくある質問
最後に海外FXの追証について、よくある質問とその回答をまとめました。
それぞれ解説いたします。
海外FXのゼロカットに罠はある?
ゼロカットは、海外FX業者ごとに発動するタイミングが違います。
口座残高がマイナスになったら即時発動する業者もあれば、申請がない限り発動しない業者もあります。
発動タイミングは業者ごとに違うため、ゼロカットシステムのタイミングは必ずチェックしてください。
ゼロカットの罠にハマらないためにも、即時反映する業者を選んでください。
国内FXで追証がない業者はある?
国内のFX業者では、基本的には追証制度が必須となっています。
国内FX業者の注文方式はDD(ディーリングデスク)方式を採用しており、トレーダーの損失は業者の利益となります。
さらに、金融庁の取り決めによりトレーダーの損失補填は禁止されているため、国内で追証がない業者を探すのは不可能です。
よほど、国内にこだわっていなければ、海外FX業者を利用しましょう。
追証があるのは日本だけですか?
追証制度は日本だけとは限りません。
海外では急な価格変動があった場合に要求されるケースもあります。
2015年のスイスフランショックのときは、追証なしと謳っていたのにもかかわらず、トレーダーに追証を請求した業者もいるくらいです。
状況によっては追証を請求する業者もいるため、過去の成績や事例含めて調べましょう。
海外FXで追証がないことのデメリットは?
追証がないことのデメリットはないといえます。
しかし、ゼロカットありきでトレードしてはいけません。
冒険的なトレードにより、損切りのタイミングがバラバラでは損失ばかりが増えていきます。
常にリスク管理は徹底して、損失よりも利益が大きくなるようなトレードを心がけましょう。
なぜ海外FXは追証なしなの?
海外FX業者が採用している注文方式はNDD(ノンディーリングデスク)方式です。
トレーダーからの注文は全てインターバンク市場に流すため、その手数料(スプレッド)が主な収益となります。
NDD方式ではトレーダーの損失は利益とはならないため、より多くのトレーダーに取引してもらわなければなりません。
そこで、ゼロカットシステムをアピールすることで、トレーダーを囲い込む効果があります。
トレーダーには安心感を与え、業者にはトレーダーを与えるため双方にメリットがあるのです。
海外FXのNDD方式について詳しく知りたい方は以下の記事を参考にしてください。
海外FXで追証ありの業者は?
海外FX業者の中で、基本的には追証のある業者はいません。
海外では、ゼロカットシステムを採用している業者がほとんどなので、よほどのことがない限り心配する必要はありません。
しかし、急な価格変動時には追証を請求している業者もいるため、各業者の利用規約や事例は確認すべきです。
利用規約は業者のウェブサイトに必ずあるため、トレーダーは規約を熟読した上で業者を選ぶ必要があります。
口座を解説する際は、必ず利用規約を確認し仕組みを理解しておきましょう。
ゼロカットシステムがある日本のFX業者は?
国内のFX業者で、ゼロカットシステムを導入している業者はいません。
金融庁の取り決めによりトレーダーへの損失補填は禁止されています。
第三十九条
二 有価証券売買取引等につき、自己又は第三者が当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため当該顧客又は第三者に財産上の利益を提供する旨を、当該顧客又はその指定した者に対し、申し込み、若しくは約束し、又は第三者に申し込ませ、若しくは約束させる行為
三 有価証券売買取引等につき、当該有価証券等について生じた顧客の損失の全部若しくは一部を補塡し、又はこれらについて生じた顧客の利益に追加するため、当該顧客又は第三者に対し、財産上の利益を提供し、又は第三者に提供させる行為
そのため、国内FX業者ではトレーダーが口座残高以上の損失を出した場合に追証を要求するのです。
国内のFX業者で取引を行う以上は、追証は避けられないと覚悟しておきましょう。
【まとめ】海外FXは追証なし!安心してトレードに専念しよう。
以上、海外FXの追証について解説いたしました。
基本的には海外FXでは追証はないため、安心して取引できます。
しかし、ロスカットのタイミングや仕組みを理解せずに始めるのは無謀です。
今回、紹介している海外FX業者であれば、基本的にはロスカットは自動執行なので自ら申請する必要はありません。
ぜひ、参考になれば幸いです。